カゴウキ作りで悩む!(前編)
  
■自作ウキの課題

最近のウキは、軽くて浮力のある軟質発泡材が使われる。
私は未だ、重いけど加工しやすい硬質発泡材を使っている。
昨年、何度かカゴ釣りをして、自作のウキの課題を見つけた。
今回は、その課題を克服したウキを作りたいと思っている。


◇羽根が割れる。

100円ジグのパッケージを羽根に使用している為、良く羽根が割れた。
厚みを測ってみると0.2mm…薄すぎるようだ。
WEB検索したら、0.3〜0.5mmの厚さが良く使われていた。

ラミネーター用のフィルムが、丈夫で羽根に適しているという記事を見つけた。
150μmのフィルムを2枚貼り合わせると0.3mmになる。
今回は、これで試作して見ることにした。


◇ウキがカゴから離れて着水する。

11月から12月にかけては、強風の日が多い。
潮と風の向きが同じだと、一気に流されて釣りにならない。

そこで作ったのが
風対策ウキ1号
使ってみたが、効果の程は良く分からなかった。

そればかりでなく、このウキは重心がセンターより後方にあった。
ウキがカゴに付いて行かず、離れて手前に着水した。
こうなると、コントロールが難しいので、重心はウキのセンターより前方に持ってきたい。


強風時、風に流される。

次に作ったのが、
風対策ウキ2号…只の棒ウキだ。
これは風の影響を受けなかった。
羽根のあるウキがどんどん流される中、このウキはゆっくり流れた。

後から投げた方の糸ふけがウキに乗っても、羽根がないので絡まなかった。
良いことが多い棒ウキだが、欠点もあった。

羽根がないと飛行姿勢がふらつくので遠投できない。
ウキとカゴの重さが合っていないと(軽いカゴを使うと)波で倒れる。

今回は、風対策として、羽根を小さくしてみようと思う。
遠投しないので、羽根は小さくても問題ないと思っている。

又、羽根が小さいと、かさばらず、持ち運びやすいというメリットもある。
私は、3本持ち歩くので、羽根は大きくしたくない。


◇ウキにハリスが絡むことがある。

対策として、二つのことが考えられる。
一つは、ハリスが絡みにくいウキの形状にすること

ウキ本体に羽根を埋め込むことによって、ハリスが接触しても外れやすくなる。
加工が難しいが、今回はこの形状で作ってみたい。

もう一つは、ウキの重心を微調整して、カゴとウキが2〜3m離れて着水できるようにする。
そういう事が可能らしいが、現時点、どうしたら良いか分からないので、この案はパスする。


塗装が剥がれる。

2〜3回釣行すると、ウキ本体の塗装や羽根の塗装の一部が剥がれてくる。
羽根の方は、下地処理が不十分な所が直ぐ剥がれるようだ。

発泡の塗装部分と羽根には、剥がれ防止のコーティングをしたい。
今までは、予算の都合もあり、手抜きしていた。

塗装の色は、赤が一般的だが、混み合っていると、自分のウキを見失うことがある。
他の人があまり使わない色を塗ってみると面白そうだ。


■Step1 理想のウキ作りに挑戦

昨年使用したウキ3本をリメイク、同時に2本を新作
使用するコマセカゴの重さは、13〜15号を想定


◇羽根が割れるウキを改造

[Before]
全長250mm、径30mm
重量22.5g
重心の位置→センターより15mm前方

60g負荷のウキ

[After]
全長230mm
重量18g
重心の位置→センターより
3mm前方
羽根の径70mm

No.1

◇風対策ウキ1号を改造

[Before]
全長220mm、径30mm
重量21g
重心の位置→センターより5mm後方

ブーメランカットの4枚羽根

[After]
全長235mm
重量16g
重心の位置→センターより
3.5mm前方
羽根の径60mm→強風用

No.2

◇風対策ウキ2号を改造

[Before]
全長225mm、径30mm
重量22g
重心の位置→センターより17mm前方

頭部を三角形にカットしたウキ

[After]
全長238mm
重量18g
重心の位置→センターより
1mm前方(ほぼセンター)
羽根の径60mm→強風用

No.3

◇新規製作

全長238mm
重量17.5g
重心の位置→センターより
2mm前方
羽根の径70mm 

No.4

全長240mm
重量17.5g
重心の位置→センターより
2mm前方
羽根の径70mm

No.5


◇備考

今回製作したウキは、足管に
0.8号の細長いオモリを使用
全てのウキの重心が略センター近くにきた。

理想的なウキは、
センターより何ミリ前に重心が来れば良いのだろう?
最適値が分かれば、重心の位置を微調整したいと思っている。


◇浮力確認

錘をつけてウキが何処まで沈むか確認した。
下のピンは12号、上のピンは15号を背負った時の位置を示す。

上のピンから発泡体上部までの長さは、左から順に以下のようになった。
40mm、45mm、40mm、40mm、43mm

従来の知見で、40mmあれば使用可能なことが分かっている。
径が30mmのウキの場合、残りの長さが
45±5mmくらいが適正のようだ。

12号のウキで15号のカゴを背負ったことがある。
その場合、残りの長さは32mmくらいになる。

凪の時は使えるが、うねりがあると沈むのでアタリが取りにくい。
荒れ気味の時は、残浮力の大きいウキを選んで使った方が良いようだ。




15号で上のピンまで沈む




■Step2 残された課題に挑む

Step1で5本のウキを同時に製作した。
その為、5本共、同じ間違いをしてしまった。
具体的には、発泡本体に羽根を埋め込むが、そこに隙間ができたこと
今度は工夫して、隙間のないウキを作りたい。

海が荒れた時に使う残浮力の大きいウキを作っておきたい。
15号のカゴを背負った時、海面から発泡体が45〜50mm出るウキ

重心の位置を移動すると、どのように飛び方が変わるのかテストしたい。
最適な重心の位置は、センター付近にあると思っているが、もっと前方なのかも知れない。
取り敢えず2本作って置き、色々な状況に対応できるようにしておく。

◇製作過程

150μmのフィルムをアイロンで張り合わせ3枚羽根を作成
羽根の片面だけにペーパー砥石で細かい傷をつけて塗料を剥がれにくくする。


ラミネーター専用フィルム


ペーパー掛けした面にだけ塗料を塗る。
コーティング剤があれば、塗料の色落ち防止用に塗る。

削り出した発泡材の頭部に、鉛で作った型で羽根の中央が入るスペースを作る。
更に羽根が入る切り込みを入れて、羽根を押し込む。


一番苦労した点


隙間なく完成


足管だけでは羽根側に重心が来るので、オモリを追加して微調整
今回は足管につけた0.5号のオモリを移動できるようにした。


中心より2mm左に重心


左端にオモリ固定


左端に寄せて熱収縮チューブで固定すると、重心はセンターより2ミリ左側になる。
右端に寄せて熱収縮チューブで固定すると、重心はセンターより2ミリ右側になる。


中心より2mm右に重心


右端にオモリ固定


上記2条件でテスト予定だが、振り幅が小さすぎて変化がない可能性あり
もう1本のウキ(No.7)は、最適な重心の位置を絞り込む時、組み立てる予定

◇今回製作したウキの仕様 

全長255mm No.6
重量18.5g
羽根の径70mm(丸形) 
重心の位置→ほぼセンター(±2mmの調整可能)
残浮力→15号負荷で水面から発泡体上部まで50mm




No.7(左)とNo.6(右)