一発カゴを作ってみた!(前編)



  
■一発カゴの課題

昨年遊び過ぎて、肘を悪くした。
自己診断では、テニス肘のようだ。

しばらく釣りはお休みして、釣り道具を作って遊ぼう。
一発カゴには、二つの課題がある。

一つは、高価であるということ。
何処で買っても
2500円以上する。

もう一つの課題は、地面等にぶつけると、底蓋が開かなくなること
センターに軸が通っている上下分離式のカゴは、少々手荒に扱っても壊れない。

それに比べると、一発カゴは、精密機器のようだ。
多分、底蓋を開閉する
軸受けの強度が不足しているのだろう。

大手釣具店で売られている一発カゴのサンプルを手にしてみた。
軸受部は、小さな蝶番が使われていた。

この蝶番、隙間が大きすぎて、使用前からガタガタ
今まで使っていた一発カゴは、具合が悪くなったら修理できた。

蝶番では、ガタを取る手段が無さそうだ。
釣りをしない人が、一発カゴを設計すると、こうなるのだろう(^x^)うっ

■試作品紹介

さて今回、五つの一発カゴを、見よう見まねで製作
夫々に、オリジナルの天秤を付けて完成させた。

使用したステンレスパイプの径は32mm、長さ35mm、肉厚1mm
底蓋は、100円均一の計量スプーン、外径32.7mを使用





五つの試作品




■最初の作品

鳥籠が難しかった。
途中で諦めかけたが、歯を食いしばり鳥を作成

0.6mmのステンレス線で作りたかったが、材料が入手できず
0.8mmで作ったのが苦戦の原因

完成重量 54g(14号相当)
費用 308円

内訳は、スプーン110円、パイプ50円、軸受部のスリーブ26円
を除く下の胴体部分は、共通部品で186円

を作る為のステンレス線が72円、消耗品代として50円計上
消耗品代は、天秤の材料やハンダ等を指す。

今回製作したカゴの中では、最も安い。
次回は上部に外径9.5mmのパイプを付けるので、その分費用がアップする。




No.1




■二つ目の作品

鳥籠を作るのが大変なので、市販のステンカゴを取り付けた。
パイプの内径とステンカゴの外径が同一で、嵌らず苦戦

どうにか押し込んで完成させた。
完成重量 45.5g(12号相当)

費用 576円
内訳は、共通部品186円、ステンカゴ340円、消耗品50円




No.2




■三つ目の作品

パイプの内径より小さい市販のステンカゴを使用
何の苦労もなく完成

完成重量 46g(12号相当)
重さは必要に応じ、板オモリを貼り付けて調整する。

費用 576円
内訳は、共通部品186円、ステンカゴ340円、消耗品50円




No.3


■四つ目の作品

市販のロケットカゴを被せた。
安くて簡単なので2個製作

完成重量45g(12号相当)
ロケットカゴの重さ5gなので、水中では40g(11号相当)

費用 435円
内訳は、共通部品186円、ロケットカゴ199円、消耗品50円





No.4とNo.5




価格が高いという課題に関しては、手作りで解決する。
一発カゴ一個、400円〜600円くらいで製作可能だ。

■強度及び信頼性UP

次にもう一つの課題である強度について触れてみたい。
底蓋の支点となるピンの径を1.4mmにした。



支点の強度UP




WEB検索によると、支点となるピン径は、0.8〜1.2mmが使われるようだ。
底蓋に半田付けするスリーブの内径は、今回1.5mm

1.5mmの軸受に1.4mmの軸だと、ガタが少なく良好な回転ができる。
底蓋に半田付けしたスリーブの両側に、長さ2.5mmのスリーブを入れた。

この2.5mmのスリーブは、底蓋に半田付けしたスリーブに押し付けて、ピンに固定する。
これにより、左右方向のガタを無くすことができた。




左右のガタ取り




底蓋をロックするバネピンは、線径0.6mmを使用
線径0.8mmより精度が不要で、快適な動作が得られる。




バネピン




底蓋のフックは、90度より内側に曲げると外れにくくなる。
80度くらいにして、外側に開いた方が良いようだ。




フック形状




底蓋のフックが多少上に飛び出していると、底蓋を閉じた時、パイプとの間に隙間ができる。
これにより、ハリスの噛み込み防止の丸棒が不要となった。

今回、底蓋の開閉機能のついた胴体部分については、一応満足いくものができた。
次回は、鳥籠を自作して、もっと完成度の高い一発カゴを作ってみたい。




糸噛み防止の隙間