あんな恐ろしい光景を見たのは初めてである。
高波で3人の釣り人が荒れた海に放り出されたのである。
海を侮ると大変なことになると考えさせられる一日であった。
早朝の大平は何時もの賑わいを見せていた。
波は高いが磯の先端にはすでにルアーマンが並んでいる。
私も着くなり迷わずルアー竿を出す。
波をかぶりにくい足場の良い所はすでに占領されている。
波が上がりやすい場所で足元を気にしながら釣ることになった。
30分位投げたがアタリがない。
ヒザ下まである長めのブーツを履いているが少し濡れてしまった。
休憩しようと戻ってくると柳氏のやってくる姿が見える。
今日はバクダン釣り一本のようだ。
朝3:00から起きてオリジナルサビキを作ったらしく燃えていた。
しかし今日のこの海の状態では…と思う。
休憩している時も時々大きな波がきていた。
しかしもう少しルアーを投げようと思って磯の先端まで出る。
やがて例の大波がやってくるのである。
前兆はあったような気がする。
これはいかんと思って引き上げかけた時一気にやってきた。
急いで戻ろうとしたが間に合わず岩の上にかけあがる。
左の小高い岩を越えて次々波が上がってくる。
後ろを振り返ると10人位の釣り人がほとんど倒れて流されている。
あっという間に3人が海の中まで流されてしまった。
手にはルアー竿を持ったままで今にも溺れそうであった。
岸にたどり着いた二人は手を差し伸べて引き上げられた。
しかし海の真中の人は助けようがない。
一人の釣り人がタモアミを出して救助に向かった。
これは良いものがあった!ガンバレ。
タモアミを使うまでもなく波で岸まで打ち寄せられその人も助かった。
この騒動で居合わせた人々は全員海の怖さを再認識したと思う。
もう誰も磯には立たず海を眺めていた。
柳氏が「ビールはどうですか」とクーラーから出してきた。
全く準備のいい奴で感心してしまう(^−^)
海で飲む朝飯前のビールは最高!
程好い気分になった所で竿を振りたくなった。
しかしまだ誰も竿を出さず海が静まるのを待っている。
私は先日ワカシを上げたポイントから投げることにした。
遊歩道の上から投げて大平と右手の根の間にジグを通してくる。
数投目にたしかな手応えを感じる。
寄せてくるとサラシにもまれながらソーダガツオが上がってきた。
周りの人はこんな所から投げても釣れるのかという顔で見ている。
2匹目を狙って続投するが右手の根にジグを取られてお仕舞いにした。
やがて待機していた釣り人達が波の低い大黒の鼻へ移動を始めた。
大平に見切りをつけて私も柳氏と共に移動することにした。
私は船着場の対岸に渡りジグや弓角を引いてみたが音沙汰なし。
一方、柳氏は大きなシロサバフグを2匹釣り上げていた。
欲しいという人がいたのであげたとのこと。
気になったので後で図鑑で調べてみたところこれは無毒らしい。
食べてみたいけどちょっとね…f(^_^)
9:00頃、大平に釣り人の姿が見え出した。
ちょうど干潮の時間帯である。
波は高いが釣るなら今がチャンスとばかりに大平に戻る。
柳氏が早速竿を出しやや大きめのシマダイを上げる。
私が仕掛けの準備をしている時またも大波がやってきた。
顔を上げたら釣り人が3〜4人倒れている。
柳氏も倒れたままに岩にしがみついている。
誰も海には落ちなくて良かったが危ないところだった。
今日は反省の多い一日であった。
「海をあまくみるな!」このことを肝に命じ忘れないようにしたい。
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ソーダガツオ |
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大黒鼻より大平を望む |
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